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印刷ラボ

第31回 『フトラシ』〜特色印刷で必須技法〜

こんにちは福富です。
 
特色印刷をする際に、必ず必要になる処理があるんです。それが【 太らし 】。
太らし 】は、印刷業界用語で一般的な言葉ではないと思いますので、カタカタ表記しますね。
太らし = 以下『フトラシ』
 
フトラシ 】とは、特色で印刷するときのデータ処理の仕方です。
この処理ができていないと特色で印刷した時に、かなりがっかりな印刷結果になってしまいます。
 
今回は、そんな【 フトラシ 】の理屈を知っていただくことで、より思い通りの印刷結果を得るために
役立てていただけると思います。
 

今回のテーマは「フトラシ」

 
フトラシ 】が正しく設定できないと版ズレによる印刷トラブルを招くことがあります。
フトラシの知識を正しく理解しておくと、そんなトラブルを未然に防いだり
怪しいものは印刷会社に事前に相談できたりして安心です。
 

フトラシって何?

 
フトラシとは、印刷時の版がズレても《 地色が見えたりしないように、あらかじめ特定の版を太らしておく 》ことです。
印刷物は、多かれ少なかれ版のズレが生じます。
 
しかし、データの線を予め太らせておくことで、ズレが目立たないように刷ることができます。


「特色ピンク」と「特色紫」の2色刷りの印刷物です。

 
一見すると何の問題もなく印刷できそうな気がしますよね。
ですが1丁での印刷ならともかく、たくさん面付けして印刷すると版がズレてしまい
下記のような版ズレが発生する可能性が出てきます。

ピンク版と紫版の境目に【 白いスジ 】が見えるのがわかりますか? これが【 版ズレ 】です。
 
版ズレが発生する原因は様々ですが、オペレーターの技術でカバーできないものも多い為
あらかじめ対策をしておく必要があります。
 
その対策が『フトラシ』です。画像で説明しましょう。ピンク版を下記のように太らせますが…
 

 
何が変わっているのか、刷色で見ると解りにくいので色を変更して説明します。
特色ピンク 」を【 マゼンタ 】に、「 特色 紫 」を【 シアン 】で表現します
もう一度同じ図を見てみましょう。
 

 
マゼンタ】が【シアン】に対して、太って重なっていることが見て取れると思います。
重なっているところは【マゼンタ】と【シアン】が100%ずつ重なっているので
M100% + C100%で【 】色に見えていますね。
 
この青色に見えているところが『 フトラシ 』が、設定されているところです。
フトラシの部分は、版がズレても下地の白色が見えないわけなんです 。
 

 
色を実際の刷り色に戻して見てみましょう
 
マゼンタ 】と【 シアン 】に変更して見た時は、色が重なったところが青色に変わって見えましたが
実際の刷り色は【 ピンク 】と【 】なので、重なっても色の変化が目立っていません。
 
このように特色に【 フトラシ 】を加えることで版ズレによるトラブルを防止できるわけです。
 
いかがでしたか?
【 フトラシ 】をうまく設定することで版ズレのトラブルを防止できます。
 
次回は、もう少し堀り下げて説明していこうと思います。
 
【追記】


フトラシを行った実物の画像(透かしたりルーペで印刷物を見てみてくださいね)
 
最後までお読みいただいき、ありがとうございます。
印刷について知りたいネタがございましたら、教えてくださいね!
 
では、また。

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