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第3回「コスパのいい特色の使い方をしていますか?」
こんにちは 大洋印刷の福富です。
コラム記事「特色シリーズ」の3回目です。
今回は福富がいつも感じている
「特色は こんなときに使うとコストに見合った効果がある!」という お話です。
第3回「コスパのいい特色の使い方をしていますか?」
特色を使うことはカラー4色で印刷するよりもコストがかかってしまうことがあります。
カラー印刷とは違い特色での印刷では
「PANTONE」(パントーン)や「DIC」(ディック)などの特色ナンバーを
ご指示いただいてから、そのインキを作り印刷します。
そのため、特色を用意するコストや特色で印刷するために印刷機を洗浄して
インキをセットしなおすコストが発生します。
では、そこまでコストをかけてまで「特色」を使う必要があるのでしょうか?
実は大いにあるんです。
でも、せっかく特色を使うんだから効果がしっかり出るように使いたい
今回は、そんな実例を2つご紹介したいと思います。
〜特色でしか再現できないから使う〜
特色を使う一番大きなメリットは、カラー印刷では再現できない色域を
再現できることです。
実例 ①
金・銀の特色 = 金・銀は特色でしか再現できない
いちばん よく使われる特色は『金』『銀』『パール』
これらがカラー印刷では再現できないのは、わかりやすいですよね
東広島市は日本酒が有名なのですが、その包装紙には特色の「金インキ」が
多くご採用いただいています。
金インキ独特の質感がありますよね カラー印刷では出ない風合いが魅力です。
中には「 ■ DIC619 ■ 」や「 ■ DIC620 ■ 」等のような通常の金インキではなく
オリジナルの調合を行って金インキを別注されているお客様もいらっしゃるほどです。
金や銀の印刷は、なかなか技術が必要で うまく印刷するには
長年の経験やノウハウがいりますので金銀の印刷は不可という印刷会社さんも
いらっしゃいます。
弊社では、金や銀の印刷は日常的に行っていますので安心しておまかせいただけます。
(しれっとアピールです)
実例②
色域を広げる特色 = カラー4色(CMYK)では再現できない色域を再現できる
オフセット印刷のカラー4色(CMYK)で再現される色は『 中間混色 』という目の錯覚を利用した
再現方法になっています。
この方法は、絵の具で色を塗るときの『 減法混色 』とテレビで色を再現するときの『 加法混色 』の
中間の方法だから こんな名前がついているみたいです。
細かい話をするとかなり長くなりますので ご興味のある方は検索してみてください。
ここで知っておくと便利な知識は「 カラー4色で再現できる色は実は『結構少ない』 」ということです。
特色で再現できる色と、それをカラー4色で再現したときの色を見てみましょう!
たとえば「オレンジ」ですが
左「カラー印刷(右の特色をカラーに変換し印刷したもの)」右「特色」
えっ!?全然ちがくない???
じゃあ 「黃緑(きみどり)」は というと
左「カラー印刷(右の特色をカラーに変換し印刷したもの)」右「特色」
やばっ!!
さらにコレ 「グレー」も
左「カラー印刷(右の特色をカラーに変換し印刷したもの)」右「特色」
ここまで違うともはや見る影もない…
最後のグレーは「極端な例」ですが
オレンジや黃緑(きみどり)そして紫(むらさき)色あたりは
特にオフセットカラー4色で再現できる色味が少ないのです。
「 淡い色 」や「 明るい色 」「 鮮やかな色 」が
ことごとく暗く、くすんだ色になってしまいます。
比較することではっきりとわかりますよね
ですから、この色を再現したいという明確な色味がある場合には
その色がオフセット印刷のカラー4色で再現可能な色域の色なのかを
考慮する必要があります。
再現したい色が「淡い・明るい・あざやか」だったり
「みどり・オレンジ・ムラサキ」だったりしたら要注意です。
そんなときには、その色を特色にすることでカラー印刷では再現できない
効果的な特色の使い方になると言えるでしょう
いかがでしたか?
特色の使い方としては他にも
● コーポレートカラーを特色で再現する。
● ブレやすい色を特色で再現することで安定させる。
● ローラー目などが目立ちやすい色に補色として使う。
などなど、マニアックなものがたくさんあります。
長くなりますので、またの機会にお話できればと思います。
このコラムでは、デザイナーの方や企画制作者の方が
日常的に役立てていただける印刷知識を日々更新していきます。
ぜひ定期的にご覧ください!
また、本文でご紹介した特色とカラー印刷のちがいを比較いただける
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それでは♪ 次回もお楽しみに!