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第4回「特色の網点」には未知の世界が広がっている

こんにちは! 大洋印刷の福富です。
 

第4回「特色の網点」には未知の世界が広がっている

 
今回は特色シリーズ
『な〜んだ』と思われるか…『なるほど!』と思われるか…
わからないのですが ちょっとした気付きになる
ややマニアック気味なお話をしたいと思います。
 
皆さんは「特色」インキを使って印刷するときに網点にしようと思ったことはありますか?
その際に印刷会社さんから「どんな色になるのかわかりませんよ」と
事前に念押しされた経験はありませんか?
 

〜「特色」は普通100%ベタで印刷する〜

 
特色は再現したい色 を そのものズバリのインキで印刷します
ですからわざわざ「特色オレンジ50%」とかにはしないんです。
 
特色オレンジ『 50% 』が再現したい目的の色だとしたら
その色が『 100%ベタ 』で再現できる特色を選べばいいわけですから。
 
インキメーカーさんが作っておられる色見本帳も100%ベタの色をのせています。
 

〜じゃあ特色の網点って使うことあるの?〜

 
特色の網点は、主に『コスト削減』のために使われます。
 
「 赤1色」や「 紺1色 」もしくは「 黒と赤 」だけで印刷されたチラシなど
目にすることがありますよね?
 
色数を減らすことで印刷コストを下げつつ
特色の網点を使うことで赤色、薄い赤色、もっと薄い赤色…と
使える色味を増やそうという意図があります。
 
1色刷りのチラシ印刷でしたら、特色の網点で再現される箇所は
ほとんどが『成り行きで』と指示されることが多く
印刷結果が重要視されることは あまりありません。
 
何故かというと特色の網点だと どんな色になるかが印刷前にわからないからです。
 
仕上がりの色を確認するために本紙校正を行って…とかやっていたのでは
折角コストをさげようとしているのに本紙校正の料金がかかってしまい本末転倒ですよね?
 
ただ「色は気にしないよ」「成り行きでいいよ」という場合はいいのですが
パッケージ印刷のように仕上がりの色味に気配りが必要なものの場合は
特色の網点を使うとなると事前に配慮が必須です。
 

〜網点は目の錯覚!特色の網点がどんな色になるかは画面ではわかりません〜

 
網点で再現すると色が薄くなって見えます。
これは目の錯覚で、そう見えているとイメージしてください。
 
カラー印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色のインキの網点を
人間の目(遠目)では認識できないような小さな点の集まりを重ねることで
たくさんの色があるように錯覚させるということもできます。
 
この錯覚をコントロールすることがカラー4色であれば意識することもなくできています。
 
例えば「マゼンタ50%とイエロー100%」の色が見たければ
Adobe Illustrator(CMYKモード)で、そのように色をつけるとディスプレイ上で
「印刷結果はこうなるよ」と見せてくれますよね。
 
色域調整されたディスプレイを使われている方でしたら、よりオフセット印刷の再現に
近い色味で確認しながらデザインされていることと思います。
 
では「特色の網点」はどうか…Illustratorでも特色を設定することはできますよね。
 
こんな感じに↓
 

 
はい。特色ですね。画面上でも特色っぽく?見えています。
だいたいこんな色味になるんだろうねと…思ってはいけません‼︎
 
実際に印刷してみると下の写真のような感じに仕上がります。(ちょっと写真だと再現難しいのですがある程度近づけてます。)
 

おや? なんか画面で見てたのと違う!?
 
これは印刷トラブルになりやすい「特色網点事件」です。
 
特色の網点を「ディスプレイ」や「レーザープリンタのプリントアウト」などで確認していて
「うんうん、こんな感じに印刷物があがってくるだろうね!」と思っていたら、
実際印刷されたものを見てびっくりするという『印刷あるある』です。
 


『ディスプレイ』は色光の3原色「RGB(レッド・グリーン・ブルー)」の『加法混色』で色が再現されていますし
『レーザープリンタ』も一般的には色料の3原色「CMY(シアン・マゼンタ・イエロー)」とK(ブラック)の
『減法混色(中間混色)』で再現されています。
 
それに対して「特色の網点」は特色インキ1色の中間混色で再現されます。
 
簡単にいうと、特色インキの「目に見えないくらい小さな点々」で印刷されて
それが人間の目では遠目に色が混ざり合い錯覚が起こって「見える色」になり
さらに印刷用紙の色味やインキの吸い込みの影響も受けてしまう。
 
要するに「特色の網点」は不安定な要素が多すぎて「事前にイメージすることなんてまず無理!」
「特色の網点」は刷ってみないとわからない = 未知の世界 と言われる所以です。
 
特色の網点を使う場合はその箇所が重要なところであれば本紙校正以上の「色校正」が必須です。
色校正ができない場合は特色は100%ベタにしておくほうが無難でしょう。
 
大洋印刷オリジナル見本帳の【カラー・特色・表面加工 見本帳】では「特色」の網点を印刷しています。
 

 
『こんな特色が網点になったらこんな色になるんだ』と感じていただければと思います。
今なら数量限定で無料進呈中です。お問い合わせフォームからご注文ください。
 
ちなみに2色の特色の網点の掛け合わせという、さらなる未知なる世界へチャレンジされる猛者の方もいらっしゃいます。
 
特色の取り扱いには一定の経験がございますので
ぜひ一緒に未知なる世界へチャレンジしてみたいとおっしゃる方はご連絡おまちしております。
 
今の所10日に1回の更新ペースとなっております。
では、また次回に。お楽しみに!

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