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第26回 色校正
今回のテーマは「色校正」
紙箱の見積を依頼するときに、最初に意識して伝えておくと後ですごく効いてくるポイントが6つあります。
その1つが色校正をするかどうかを書いておくこと。
色校をどうしたいかを伝えることは、あなたが【 この印刷物で大切にしたいポイントを伝えること 】と同じです。
色校正の種類について表にまとめたものがありますので、詳しくはこちらをごらんください。
見ていただいたと思いますが…
一応、ざっくりご説明しますと弊社では、色校正には5段階+αといった感じで
レベル0……PDF校正( PDFデータをメールなどでやり取りして画面上で確認する方法 )
・印刷の色については成り行きに任せるという方法
レベル1……カンプ校正( ざっくりとしたイメージを安価に見たい人向け )
・色調整されたレーザープリンタによるプリントアウト
レベル2……プルーフ校正( 色のターゲットだけはしっかり確認したい人向け )
・インクジェットプルーファーによるプリントアウト
・こんな色を目指したいという色ターゲットを設定
レベル3……平台校正( パッケージ印刷にはこれがオススメ )
・コストは、ややかかるがパッケージ印刷では最低でもこれはやっておきたい
レベル4……本機校正( 本番とほぼ同じ条件で確認したいとき )
・コストは高いし納期もかかるが一番安心できる色校正方法
レベルEX……オンデマンド印刷の色校正
・オンデマンド印刷の場合は試しに1枚刷ってみることができる
パッケージ印刷をオフセット印刷で行う場合は、レベル3【 平台校正 】または
レベル4【 本機校正 】を行うことをオススメします。
他の色校正は実際に、オフセットで印刷ではないもので刷りますので
あくまでもイメージだったり目指す色だったりで、実際の刷り色とは差があります。
平台校正以上の校正であれば【 用紙 】【 インキ 】【 刷り方 】の3つの条件は
本番と同じで信憑性が高いです。
あと有料ではあるのですが【 表面加工 】も、本番同様に加工をかけることができるのも
平台校正以上のメリットです。
表面加工は、色の見え方に大きく影響するものもありますので、平台校正以上の色校正をする場合は
表面加工もセットで行いましょう。
色校正の役割はなに?
パッケージ印刷を行う印刷機は2021年8月現在、主流は【 オフセット印刷機 】です。
あなたからいただいたデータをオフセット印刷機で印刷したら、どんな色で仕上がってくるのかを
本番印刷する前に確認するのが、色校正の役割です。
なぜ事前の確認が必要なのか?
それはオフセット印刷機で印刷する前に、あなたが見ている色と実際に印刷したものとの間には
『 差 』があるからです。
その『 差 』を見ていただくために、ちょっと極端な例をお見せします。
データ作成している時に、このように見えている色があるとします。
これは特色【 TOYO CF 10304 】という、緑色のデータをAdobe Illustratorで扱っている画面のスクショです。
これを実際のオフセット印刷機で特色インキで印刷したものがこちらです。
写真だとちょっと極端に差が見えているのですが、それにしても色に随分と差があることがわかります。
カラー4色にしても同様で、画面上で見ている色と実際にオフセット印刷した色とでは
特色ほどでは無いにしても『 差 』があります。
印刷が終わった後に色の差が、思っていたよりも大きくあったら非常に残念ですよね。
事前に色校正で確認して問題があれば、データを修正したりすることで、本番の印刷を目的の色味に
近づけることが色校正の目的です。
色校正の費用も見積りしてもらっておこう
色校正には時間と費用がかかるというデメリットもあります。
精度の高い色校正を行うほど、かかる時間も費用も増えます。
あらかじめ、どのレベルの色校正を行いたいかを検討しておいて、見積りを依頼するときには
色校正料金も合わせて見積もってもらっておきましょう。
そうすることで、その色校正が工期的にも費用面でも適している方法なのかを
事前に検討することもできます。
印刷会社としては、見積り依頼をいただいたときには、なるべく安くしなければお仕事を
いただけないのではないかというバイアスがかかってしまい、コストが上がる色校正料金は
お客様から言われなければ、わざわざ記載したりしない傾向にあるんじゃないかと感じています。
コストをとるか…安心をとるか。
何を大切にこのパッケージは校正したいかを検討する上でも必要であれば、色校正料金も
聞いておくことをオススメします。
今回のお話は以上です。
それではまとめです
・色校正の種類を、まとめた表を作っています( 見てね )
・パッケージ印刷では平台校正か本機校正がオススメ
・見積段階で色校正の必要性を検討して、必要であれば一緒に見積依頼しよう