COLUMN印刷ラボ
印刷ラボ
第23回 印刷物には名前をつけよう
今回のテーマは『 品名 』
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紙箱の見積りを依頼する際、最初に意識して伝えておくと後ですごく効いてくるポイントが6つあります。
その1つが印刷物の名前を伝えること。
商品を呼び合うときに『 名前 』はとても重要です。
印刷会社と名前を共有することで驚くほどスムーズに意思疎通ができるようになります。
なぜ品名が必要なのか?
あなたなら、この商品はどんな名前で呼びますか?
【茶色い箱】【長方形の化粧箱】【720ml瓶が1本入る箱】【真ん中に赤い丸があるケース】など
いろんな表現ができますよね。ただ、それを他の人に正確に伝えるとしたらどうでしょうか?
今回はそんなお話です。
仮に【茶色い箱】と名前を付けたとします。
その後、箱のラインナップが このように2種類に増えたとします。
どうしますか? 両方【茶色い箱】ですから、それだけでは伝えられません。
【茶色い箱の大きい方】と【小さい方】とかに名前を変更することになりますよね。
これを『 品名変更 』といって、後から商品の名前が変わってしまう現象です。
実は、この品名変更は かなり危険性を含んでいることを知っていますか?
『 品名なんて何回でも変えればいいじゃない? 』と思いますよね。
自分もそうでした。登録を変えたらいいだけだと…しかし、そこに大きな落とし穴があるんです。
品名変更は、本当に様々な印刷事故を引き起こしてきた注意すべき現象です。
とあるエピソードをご紹介しますね
先程の【茶色い箱】という品名が【茶色い箱(大)】と【茶色い箱(小)】という名前に変更されたとします。
その後、商品ラインナップが増えて…
【茶色い箱(大)】と【茶色い箱(小)】【茶色い箱(極小)】という3種類になりました。
1年後『 お客様側の担当者 』と『 印刷会社側の担当者 』が変わってしまい…
お客様側の新担当の方は【茶色い箱(大・中・小)】と呼んで、管理したとします。
次の発注の時に『【茶色い箱(小)】を注文します』と、印刷会社に伝え
本来欲しかった【極小】が届かず【小】が届くという印刷事故が発生するわけです。
印刷物の名前は、お互いが打ち合わせを進めていく上で自然発生的に作られていくことが非常に多く
発注書をいただくときにも、常に同じ名前ではなく少しずつ名前が変わっていることも多いです。
品名の意思疎通のミスは、そのまま印刷事故につながる… とても怖いことですね。
これは発注時だけではなく、途中の見積りの段階でも よく起きます。
特に見積り時は、商品名もまだ全然決まっていないこともあり、複数の商品を同時進行することもあるでしょう。
印刷物によっては数ヶ月に渡って開発したり、途中で一時中断して1年後に急遽必要になり急いで進めるなんてことも日常茶飯事。
そんなときに『 名前 』をお互いが共有できていないと、先程のような意思疎通のミスが起きてしまい大変なことになってしまいます。
急いでいるときは特に発生します。必ずお互いの仕合わせのために印刷物には『 名前 』を付けましょう。
意思疎通するために必要な品名の付け方
商品名が決まっていて、それが固有の名称であれば それを品名にするのがベターです。
印刷会社が扱っている商品名は膨大です。その中からあなたの商品を間違いなく探し出すためには
なるべく他社とかぶらない固有の名称を商品名にすると一発で探し出す事ができます。
(例)
・720ml × 1本入り化粧箱・・・・・・・・・・・・・・たくさんのお客様で共通する品名
↓↓↓
・(○○○○○○ 品名) 720ml × 1本入り化粧箱・・・お客様の固有の品名
固有の品名が無い場合は、販路や対象顧客層、コードネームなどを仮称として着けておくこともオススメです。
(例)
・30代向け720ml×1本入り化粧箱(仮称)
・(仮称)若者向け化粧箱
印刷物のやり取りは、電話やメールなどで何回にも渡って行われます。
その都度呼び合う『 名前 』ですので、なるべく簡単に伝えられる名前をつけておきましょう。
印刷会社側の工夫
福富は印刷営業20年の中で、たくさんの意思疎通のミスがありました。
経験を積み重ねてたどり着いた、お客様との『 品名 』の意思疎通でこころがけている工夫
それはお客様がその印刷物を指して言われた「名前」をすべて保存して、検索できる仕組みを作るということです。
例えば、複数のご発注担当者様がおられる場合、同じ商品なんですが…それぞれの方が別々の「名前」で
その商品をご注文される場合があります。
【 使い方 】や【 見た目 】で言われたり色々です。お客様が言われた名前をすべてメモしていくと1つの商品でも
【 名前 】が5つ付いているものなどが出てきます。
これをデータベースソフトと連携させることで お客様が電話で注文されるときに、そのキーワードで検索して目的の商品を
ヒットさせ別の呼び方を伝えることで『 そう それ! 』と確認することで、間違いなく注文を通すことができるようになりました。
そのためのデータベースソフトは【 Evernote Business 】を使っています。これは本当に便利です。
それではまとめです
・品名は最初から付けておこう
・仮称でもOK
・固有の名称がベスト
・データベース連携すると なお便利
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最後までお読みいただいてありがとうございます。
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