COLUMN印刷ラボ
印刷ラボ
第13回 紙箱での「塗り足し」は、どう付ける?
こんにちは 福富です。
今回のテーマは印刷用語の『 塗り足し 』についてです。
パッケージ印刷における塗り足しを少し語らせていただこうと思います。
第13回 紙箱での「塗り足し」は、どう付ける?
平面の印刷物と立体の印刷物で塗り足しにどういう差があるのかが解ると
印刷事故を防止することができます。
どんな業界にも専門用語ってあると思いますが
印刷業界にも『 印刷用語 』という専門用語があります。
これには注意が必要で人や地域ごとに違いがあったります。
例えば、この『 塗り足し 』という言葉地域によっては『 ドブ 』と言ったり
もっと単純に『引き伸ばし』と言ったりします。
印刷用語辞典というものがあったりウェブ上にたくさんの用語が検索で出てきたりしますが
その人がどういう用途でその言葉を使っているか注意して意思疎通していくことが
とっても大切だと思っています
さて話を戻して『塗り足し』のお話です
塗り足しとは、仕上げ線の外側で裁ち落とされるところに印刷の色を伸ばすことをいいます。
塗り足しが何故必要かというと『 仕上げたときに事故らないようにする為 』で
塗り足しが無いとどうなるか?
印刷物は印刷機を通した後「断裁仕上」といって大きな鋭い刃のついた機械でザクっと一気に
切り落として目的の大きさに仕上げます。
その際に少しズレが生じます。ぴったりに印刷してしまうとそのズレによって
色が着いていないところが印刷物に残ってしまうんですね。
この現象を回避するのが『塗り足し』の役目で塗り足しがあると少しズレても
白が出たりせずに美しい印刷物に仕上がります。
さて、これをパッケージ印刷に置き換えて考えてみましょう。
例えば、このような図面の場合あなたならどんなふうに塗り足しをつけますか?
平面だったら塗り足しを3mmずつ伸ばしておけばよかったのですが立体物になるとこの2つに注意が必要です。
・このパッケージが立体になったときをイメージする
・打ち抜きしたときのズレをイメージする
ポイントは3つです。
・打ち抜き線の外側にすべて塗り足しをつける
・塗り足しは3mm以上(できれば5mm推奨)
・側面や底面など「 糊貼り 」するところは色を抜く
糊貼り加工をおこなうところは、糊不良を防ぐために色は抜いておきましょう。
最後にひとつ応用です。
パッケージは立体物ですから、当然正面と側面で色が違うなんてことも多いですよね。
そのときの塗り足しはどうすればよいと思いますか?
例えばこんな感じの塗り足しですが、どう思いますか?
塗り足しもちゃんと出来ているように見えますが 答えはNGです。
天面に塗り足しがありませんので、少し打ち抜きがズレただけで本来ミドリ色になっていないといけない天面に
水色が入ってきてしまいます。
この場合の正しい塗り足し方はこのようになります
正面と側面の境目はどうするの?と思われた方、すごいですね!バッチリ理解されてます。
正面と側面はこの場合は
・正面を側面側に塗り足してもよければ塗り足す
・塗り足したくない場合は、0.7mmだけ塗り足すだけでも効果があります
0.7mmは折れ線(罫)が入る距離になりますので、正面側の塗り足しが伸びている感じは
あまり見る人にはわからない印象になります。
いかがでしたか?
パッケージ印刷は色々なカタチ色々な印刷内容、ご要望もそれぞれ違います。
こんな場合の塗り足しはどうすればいいの?なんていう疑問もその都度ありますよね
紙箱の印刷実績は自信がありますので疑問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
大洋印刷では、オリジナル見本帳を無料で配布中です。
ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお取り寄せくださいね。
また、こんなことが知りたいというご質問も受付中です。
ネタが尽きないようにお困りな事などをご提供いただければうれしいです。(懇願)
最後までお読みいただいてありがとうございます。
パッケージ印刷について知りたいネタがございましたらぜひ教えてくださいね
では、また。
次回もお楽しみに!