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第14回 オーバープリントの闇

こんにちは 福富です。
 
何やら平年より早く梅雨入りしたようで…
この梅雨の時期は紙とか湿気を帯びたりしますので湿度管理には気を使います。
 
今回のお話は、『オーバープリント』の闇についてです。
 

第14回 オーバープリントの闇

 

 
Adobe Illustratorにある「属性」ウィンドウにある「オーバープリント」設定なんですが…
これはもう数々の印刷事故を引き起こしてきたまさに『 印刷事故 製造マシーン
 
福富が新人のころ「わからんのなら使うな!!」と製版の先輩の方から厳重に注意されてきた要注意属性です。
オフセット印刷の場合、1色ずつ色を重ねて印刷していきますがオーバープリントの設定を
うまくしないと狙った通りの印刷結果が得られないことも多く確実に理解しておく必要がある知識です。
 
全部をお話しすると長くなるので今回はオーバープリントのキモとなる知識だけお伝えします。
 
『オーバープリント』とは
一言で言うと『 そのオブジェクトの下側にある色に対してノセて印刷しようね 』という設定のことです。
 

 
厳密には違うのですが、下にある色に上にくる色を重ねる設定だと思ったら理解しやすいです。
これの何がやばいのか… 理由は2つありまして。
 
① Illustrator上での見た目と実際の印刷物の見た目が変わること
 
これは、相当危険なことなんですがオーバープリント設定してもIllustrator上での見た目は変化がありません
オーバープリントされているオブジェクトを確認するためには「オーバープリントプレビュー」で見て初めて
どういう印刷結果になるかがわかるんです。
 

 
そのため、つい手が当たって塗りにオーバープリント」にチェックが入ってしまったら…
いざ本番の印刷物を見て大変な印刷結果に驚愕することになります。
 

 
文字が消えた!?
このオーバープリントのチェックの危険なところは、一回チェックを入れてオブジェクトをつくると
解除しない限り次に作るオブジェクトもオーバープリントチェックが入った状態になるというところにあります。
 
制作の途中でオーバープリントチェックを入れて、そのまま気づかず最後まで作り終えて全部のオブジェクトに
オーバープリントがかかってしまっていたら… 気づいたときには冷や汗ものです。
 
② K100%は全てオーバープリントになること
 
一般的にK100%のオブジェクトは何の指示もなければ全てオーバープリントで出力設定されます。
これは Illustrator上の設定ではなく、印刷会社の『 出力機側の設定 』でそうなっています。
 
K100%は主に、本文の文字に使われることが多いためで、もしもK100%をノセに設定しなかった場合、印刷物は図のようになり
 

 
下地に色がる印刷物はノセが必須で、抜くと字が読めません。K100%にオーバープリントがかかっていないと
ほとんどの印刷物で印刷事故が発生するので、それを防ぐ意味でK100%は自動的にオーバープリントで出力するんですね。
 
ただ、このK100%がオーバープリントになることでどういった事故が起きるのか。
主に次の2つが非常によく起きます。
 

 
左:黒の袋文字が二重になっている 右:黒のイラストに下地が重なって色が変わる
 
このような意図せずこうなった方も多いのではないでしょうか? これを防ぐためには…
 
・下地の色と同じ色を黒に重ねる
・黒を抜き合わせにする
 
等があります。
 
要は、オーバープリントになっても色が変わらないように処理しておくか、オーバープリントにしないように
K99%とかに設定しておくことですね。
抜き合わせにするときはケントウずれが発生するので、それが許容範囲なのかどうかを検証しておく必要があります。
 
いかがでしょうか?
 
オーバープリントは使いこなしたら、すごくテクニカルな刷り方ができて楽しいのですが思いがけない印刷事故を
引き起こしかねない危険性を秘めています。
 
オーバープリントの設定はご自分でされずに、私たちにご指示いただいて処理をおまかせいただくという方法もございます。
 
この場所はオーバープリントで設定してほしいとご要望いただくか、デザインデータを見せていただければ
ここはオーバープリントにしたほうがいいですね 』などのアドバイスもさせていただけます。
 
特色を使った印刷では特に重要な設定ですので、わからないところは私たちパッケージ印刷の専門家に
おまかせいただいたほうが安心かもしれません。
 
 
最後までお読みいただいき、ありがとうございます。
こんなときはどうするの?など疑問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
パッケージ印刷について知りたいネタがございましたら、ぜひ教えてくださいね♪
 
それでは、次回もお楽しみに!

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