広島県東広島市 | パッケージ印刷・紙器印刷加工・包装紙・箔押し加工

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コラム

第18回 色数情報とコストの関係

今回のテーマは「刷色」
 
紙箱の見積りをする為に、まず絶対必要な情報が5つあり その一つが「刷色
その紙箱を作る為に、何色何回刷るかを算出するのに必要な情報です。
 

あなたの作りたいその箱の色数は何色?

 
まず「カラー4色」という刷り方をご説明します。
カラー4色は【 シアン(C)】【 マゼンタ(M)】【 イエロー(Y)】【● ブラック(K)】の
4色のインキで印刷します。カラー印刷は、その名の通り「4色刷り」になります。
 

 
家庭用のプリンターを使ったことはありますでしょうか? 6色とか8色などのプリンターは、ちょっと違うので置いておいて…
プリンターに基本この4色のカートリッジをセットして印刷しますよね。
パッケージ印刷で使うオフセット印刷機でも同じで、この4色のインキを印刷機に入れて刷ることで
写真などを再現していきます。
 
この刷り方を「フルカラー印刷」と表現する場合もあるのですが、福富は「カラー4色」という言い方で統一することを
おススメしています。 『 フルカラー 』という表現は、印刷業界の用語ではなく『 IT用語 』なのですが、なんとなく
全部の色が再現できそうなイメージではないですか?実はCMYKの4色で再現できる色というのは、パソコンやスマホなどの
ディスプレイで再現できる色より、かなり少ない(狭い)のです。
特に『 みどり 』『 オレンジ 』『 紫 』などは、カラー4色では再現できない色というのが多くあります
 
ですのでオフセット印刷のカラー印刷をフルカラーと表現するのは、福富としては結構 違和感があって
フルカラーってことは『 カラー4色の再現色域よりも広い色域再現を求められているのかも!? 』と不安になってしまいます。
 
カラー4色で再現できない色を再現したいときには『 特色 』という調色したインキを使います。
 

実際にカラーと特色で刷って撮影したもの。特色はインキそのままの見た目だがカラーはアミで表現しているため少々くすんで見える
 
特色は、印刷したいそのものズバリのインキを使って印刷する方法です。再現したいオレンジ色がカラー4色では再現できない場合
などは、特色を使えば再現が可能となります。
 
また、使いたい色数が4色よりも少ない場合も特色を使えばコストが下げられます。
例えば『 黒 』と『 赤 』の2色刷りがしたい際はカラーで4色使うよりも赤い特色を1色使って2色で印刷した方がいいですね。

 

色を減らしてコストを下げるとは?

 
特色を使うメリットは『 カラーで再現できない色を再現する 』『 色数を減らしてコストを下げる 』の2つがあります。
オフセット印刷では1色につき1枚、金属の「 刷版(さっぱん)」という版を作ります。
その刷版を印刷機にセットして印刷しますので、刷版の枚数が多ければ多いほど材料代がかかってコストが上がります。
 

 
最後にもう1つ、刷り色でコストに関わる要素があります。それは印刷機を何回通すかということです。
例えば一般的なオフセット印刷機は、カラー印刷ができるように4色機であることが多いです。
ですで仮に「5色刷り」がしたい時には、1回目の印刷で4色印刷してインキが乾いた後に、もう一度1色で印刷機を通します。
最初に4色刷って、後から1色ほど追加で刷る。これで合計5色刷りというわけです。
 
当然1回の印刷で終わるものに対して、2度ほど印刷機を通さないといけない場合は、印刷にかかる時間が2倍以上になりますので
コストが上がるというわけですね。
 
ちょっと例外なパターンですが、2色刷りなどでも印刷機を2回通す場合があります。
それは【 ノセ印刷 】をしないといけない場合です。
 
弊社では金色のインキで印刷したものの上に、黒色で文字を印刷するときなどは2度印刷機を通します。
1回目で金色を印刷し、金色が乾いてから2回目で黒を刷らないと、金色の上に黒色がうまく乗らずカスれたような
黒色になってしまいます。こういった【 ノセ 】の場合も、2度印刷するようになりますので1回で印刷が終わるものよりも
時間が倍かかりコストが上がります。
 
色数を印刷会社へ伝える際には【 カラー4色 】か【 特色 】か…
特色の場合でノセがある場合は、それを伝えておくといいですね。
 
しかし初めて紙箱の見積り依頼をする時には【 ノセ 】かどうかというのは、判断できないという方が多いかと思います。
そこでとてもオススメな、手っ取り早く必要な情報を一気に伝える方法があります。
それはカラー4色ではない場合はデザインデータを見積依頼書と一緒に送ることです。
 
デザインの端にでも【 色玉(この色は何色で刷るかを示した目印) 】をつけておくと、さらに安心して見積りができます。
添付されたデザインデータを見ることで、かなり専門的な内容まで印刷会社の方で読み取ってくれます。
 
【デザインが添付されていれば読み取れる専門情報とは】
 
 ● 求める色味がシングルで再現可能かどうか
 ● 2回印刷の場合にケントウズレが起きないか、許容範囲か
 ● 特色インキの料金はどのくらいかかるか紙面率で判断できる
 
…など、場合によっては このデザインだとこの部分の再現を重要視するならこの金額で。
重要視しない場合は、この金額で…といったパターン分けをした見積りがもらえるかもしれません。
せっかく見積りを取ったのに実際に進めようとしたら、このデザインではこの料金でできないと言われたり
価格が上がると言われたりすると困りますよね。
そうならない為にも、途中のデータでも結構ですからデザインデータを一緒に送ってもらうことをオススメします。
 
まとめ
 
 ■ 色数と、カラーか特色かを伝えよう
 ■ 色数は減らした方が安くなる
 ■ 印刷機を何回通すかで、価格は大きく変わる
 ■ 特色を使う時にはデザインデータを一緒に送ってみてもらっておこう
 
といった感じで、また次回もお楽しみに!

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