COLUMN印刷ラボ
コラム
【商品が売れる!】購買意欲を高める、色の心理を活かしたパッケージデザインとは?
多くの商品が並ぶ市場において、いかにして消費者の目に留まり、選ばれる存在になるかは、マーケティングの大きな課題です。ところが、
「自社の商品が競合商品に埋もれ、なかなか消費者の目に留まらない・・・」
とお悩みで、当社にご相談に来られる企業様は多くいらっしゃいます。
ブランドの印象を決定づけ、競合他社との差別化を図る上で欠かせない要素はいくつかありますが、そのなかでも非常に重要なのは、パッケージデザインにおける「色」の選択です。
では、ブランドメッセージを的確に反映し、消費者の心に強く残る色とはどのように選べばよいのでしょうか?
この記事では、広島西条で60年以上の歴史を持ち、地元西条の贈答品を中心にパッケージ印刷や紙器印刷のノウハウを提供してきた大洋印刷株式会社が、商品パッケージの色が消費者にもたらす心理効果や、商品カテゴリーに応じた色の選び方などを通じて、商品が競争市場で一歩抜きに出るためのヒントをご提供します。
目次
- ・心のスイッチは色で操る?パッケージデザインの心理効果
- ・なぜ色は記憶に残るのか?
- ・商品カテゴリーを代表する色とは?
- ・どのように色を選んだらよい?
- ・単色デザインでは限界がある?鍵を握るのは色の組み合わせ
- ・代表的な色とその心理的効果
- ・広島の老舗印刷会社 大洋印刷株式会社がご提供するサービス
この記事は以下のような方を対象としています
- ・新商品の商品パッケージ製作を検討している企業様
- ・既存の商品パッケージをより強力なものに一新したい、とお考えの企業様
- ・パッケージデザインに関わるデザイナーの方
- ・商品パッケージの企画に関わる企業のマーケティング担当者の方
心のスイッチは色で操る?パッケージデザインの心理効果
色には、人の心を動かす力があります。私たちは、無意識のうちに色に反応し、心地よさや安心感、ときには興奮や高揚感を覚えます。
同様に、商品パッケージデザインにおいても、色は、商品の第一印象を決定づける重要な要素です。
ターゲット層の心に響く適切な色を選ぶことで、商品は個性を際立たせ、競合他社との差別化を図ることができます。
では、色の持つ心理効果にはどのようなものがあるでしょうか?
なぜ色は記憶に残るのか?
◎感情への訴求
色は、人間の感情に直接働きかけるツールです。例えば、赤は情熱や興奮を、青は冷静さや信頼感を、黄色は明るさや楽しさを連想させます。これにより、色は消費者の感情を動かし、商品への親近感を生み出します。
◎ブランドイメージの形成
一貫した色使いは、ブランドイメージを確立し、消費者の記憶に深く刻み込むことができます。色は、ブランドの象徴となり、商品を他とは違うものとして認識させます。
◎視覚的な差別化
数多くの商品が並ぶ中で、特徴的な色は視認性を高め、競合他社との差別化を図ります。特に目立つ色は、商品が消費者の目に留まる機会を増やします。
◎購買意欲の刺激
色には購買意欲を刺激する効果もあります。例えば、食欲をそそる赤やオレンジは、食品パッケージによく使用され、色によって食材を引き立て、美味しそうに見せることができ、購入を促進します。
では、これらの心理効果を踏まえて、商品カテゴリーを代表する色やその色の役割を検討してみましょう。
商品カテゴリーを代表する色とは?
◎商品カテゴリーを代表する色
売り場に並ぶ商品の色は、消費者がその売り場が何を扱っているか、商品のカテゴリーを瞬時に判断するための手がかりとなります。例えば、以下のような例が挙げられます。
・チョコレート売り場・・・濃いブラウンやゴールドが多く使用されており、高級感や甘さを連想させます。
・清涼飲料水の売り場・・・鮮やかなオレンジやレモンイエローが使われており、爽やかさやフルーツの新鮮さを強調しています。
◎商品の中身や内容を連想させる色
色は商品の中身や内容を瞬間的・直感的に伝える重要な役割を果たします。例えば、以下のような例が挙げられます。
・赤色はイチゴをイメージさせる・・・ストロベリーヨーグルトやジャムのパッケージに多く使用されています。
・黄色はバナナをイメージさせる・・・バナナ味のスナックやシェイクのパッケージに使われることが一般的です。
◎直感的にしっくりこない色
高級時計が、カジュアルなオレンジ色のパッケージに入っていたら、どのように感じるでしょうか?
恐らく、多くの人が「高級品」というイメージとのギャップに違和感を感じることでしょう。
上記の例からわかるように色は単なる装飾ではなく、商品の価値観やブランドイメージを象徴する重要な要素なのです。高級品にふさわしい高貴な色、カジュアルな商品に合う親しみやすい色など、色にはそれぞれが持つ固有の心理的な意味があります。消費者は、商品のパッケージの色を通じて、ブランドがどのような価値観を追求しているのかを無意識に理解しています。
どのように色を選んだらよい?
◎ターゲット層から考える
ターゲット層の年齢や性別、嗜好や文化によって好まれる色は異なります。例えば、若年層向けの商品には鮮やかな色、大人向けの商品には落ち着いた色が選ばれることが多いです。
◎ブランドイメージから考える
ブランドが伝えたいイメージと一致する色を選ぶことが重要です。ブランドの価値観やメッセージを視覚的に表現する色を選びましょう。
◎商品の属性から考える
商品の属性に合わせた色を選ぶことが大切です。例えば、食品には食欲をそそる暖色系、清潔感を演出する商品にはクールな色が効果的です。
◎競合との差別化を考える
競合他社の商品と被らない、特徴的な色を選ぶことで、自社の商品を際立たせることができます。これにより、消費者の記憶に残るパッケージデザインが実現します。
ただし、多くの商品があふれている現代においては、カテゴリーに合わせた色を選んで商品パッケージが埋もれてしまうこともありますし、あえて異なる色を使って適切な商品イメージを伝えられないなどのリスクもあり、色は商品パッケージにとって非常に難しい問題です。そのため、すでに多くのブランドに使用されている定番の色から、どのように独自性を打ち出すかが鍵となります。
では次に、商品の魅力を引き出す効果的な色の組み合わせを、配色理論を活用して考えてみましょう。
単色デザインでは限界がある?鍵を握るのは色の組み合わせ
単色デザインに頼るだけでは、商品を際立たせるのは難しいでしょう。複数の色を計画的に組み合わせることで、より複雑で印象的なデザインを作り上げることができます。色の組み合わせ次第で、商品の印象は劇的に変わります。適切な色のバランスを見つけることで、商品の魅力を引き出し、消費者の記憶に残る商品パッケージができるのです。
◎色相環を活用した効果的な色の組み合わせ方
色の組み合わせを考える際に役立つツールとして「色相環」があります。色相環は、色の関係性を視覚的に理解するための円形の図で、色彩の配色を決定する際に重要な役割を果たします。色相環を理解し、配色理論を応用することで、パッケージデザインに一貫性とバランスを持たせ、消費者の目を引くパッケージデザインを作り上げることができます。
◎補色配色(コンプリメンタリーカラー)
補色配色は、色相環で真向かいに位置する2つの色を組み合わせる方法です。例えば、赤と緑、青とオレンジなどが補色の関係にあります。この配色は高いコントラストを生み出し、視覚的に非常に強いインパクトを与えるため、パッケージデザインにおいて商品を際立たせたい場合に効果的です。ただし、使用する際は色のバランスを慎重に考える必要があります。強いコントラストを生かしつつ、適度に調和させることが重要です。
◎類似色配色(アナログカラー)
類似色配色は、色相環で隣り合う2~3つの色を組み合わせる方法です。例えば、青、青緑、緑といった組み合わせです。この配色は穏やかで調和が取れており、柔らかく落ち着いた印象を与えます。パッケージデザインで自然なイメージや清潔感を演出したい場合に適しています。類似色配色は、視覚的に心地よいと感じさせるため、安心感や信頼感を消費者に伝えるのに効果的です。
◎トライアド配色(三色配色)
トライアド配色は、色相環上で均等に離れた3つの色を組み合わせる方法です。例えば、赤、青、黄の組み合わせが代表的です。この配色はバランスが良く、鮮やかで活力あるデザインを作り上げることができます。トライアド配色は、色相環上で距離が均等なため、視覚的に調和が取れながらも、各色が際立つ効果があります。パッケージデザインにおいて、多様な色を使いつつもバランスを保ちたい場合に非常に有効です。
◎分割補色配色(スプリット・コンプリメンタリーカラー)
分割補色配色は、補色関係にある2つの色のうち、片方の色を分割し、その両隣の色と組み合わせる方法です。例えば、青を基調に、赤とオレンジの補色の代わりに、赤紫と黄橙を使うといった組み合わせです。この配色は、補色配色よりも穏やかでありながら、十分なコントラストを持たせることができます。
代表的な色とその心理的効果
◎赤色
情熱や興奮を象徴する力強い色です。燃え上がる炎のように注意を引きつけ、食欲を刺激し、購買意欲を高める色です。
<赤色が与える影響>
・注意喚起: 視覚的コントラストが強く、遠方からでも視認性が高いです。
・興奮と高揚: 心拍数や血圧を上昇させ、アドレナリン分泌を促します。
・食欲増進: 食欲中枢を刺激し、摂取量を増やす効果があります。
・情熱と行動力: 情熱や衝動性を刺激し、購買行動を促します。
<赤色が効果的な商品例>
・食品: ケチャップ、コーラ、スナック菓子など、食欲をそそる商品
◎青色
視覚的に後退色であり、リラックス効果や鎮静効果が高い色です。セロトニンの分泌を促し、精神を安定させる働きがあると言われています。
<青色が与える影響>
・リラックス効果: 緊張を緩和し、心を落ち着かせます。
・集中力向上: 集中力を高め、生産性を向上させます。
・信頼感醸成: 信頼感や誠実さを与え、安心感をもたらします。
<青色が効果的な商品例>
・医薬品: 解熱剤、鎮痛剤
・化粧品: 化粧水、美容液
・清涼飲料水: 水、お茶
◎白色
シンプルでありながら多様なイメージを表現できる色です。
<白色が与える影響>
・清潔感への訴求: 特に食品や化粧品のパッケージに用いられることで、商品の清潔さや安全性をアピールします。
・高級感の演出: 高級品や高級ブランドのイメージを醸し出します。
・新しい価値への期待: 新商品や革新的な製品のイメージを創出します。
・シンプルで洗練された印象: 最近では、ミニマルデザインがトレンドとなっており、白色はシンプルで洗練されたデザインに良く合います。
<白色が効果的な場面>
・食品: 乳製品やお菓子など、清潔さや高品質をアピールしたい商品。
・化粧品: スキンケア製品やメイクアップ製品など、肌の美しさや清潔感をアピールしたい商品。
・医療分野: 病院やクリニックなど、清潔感と安心感を重視する空間で使用される商品。
◎黒色
光をすべて吸収するため、視覚的に最も重く、奥行きを感じさせる色です。この特性から、高級感や重厚感、神秘性といったイメージを連想させます。また、他の色を引き立たせる効果があるため、洗練された印象を与え、高品質な製品であることを示唆します。さらに、黒色は、抑制された感情や深遠な思考を象徴し、大人向けの、あるいは専門的な製品に適しています。
<黒色が与える影響>
・高級感への訴求: 高価な商品や高級ブランドのイメージを醸し出します。
・神秘性への訴求: 新しい商品や革新的な製品のイメージを創出します。
・スタイリッシュな印象: ファッションやデザインに敏感な層にアピールし、ブランドイメージを高めます。
<黒色が効果的な場面>
・ファッション: スーツ、ドレスなど、フォーマルな服装や関連商品。
・自動車: 高級車、スポーツカーなど、高性能やスタイリッシュさをアピールする商品。
<黒色を活用した商品パッケージデザイン例>
山陽鶴酒造株式会社様の「お猪口ギフトケース」は、シックなデザインが特徴です。黒ライナーに黒箔押しとシャンパンシルバー箔押しを施し、G段(規格の段ボール)に細かい和柄を箔押ししました。黒ライナーに黒箔を押すことで独特の風合いが生まれ、高級感が漂います。また、スペシャルメタリックカラーのシャンパンシルバーは、金箔や銀箔とは異なり、珍しいフォイルであるため、目新しさがあり好評を得ています。
広島の老舗印刷会社 大洋印刷株式会社がご提供するサービス
大洋印刷株式会社は、60年以上にわたる経験と技術を基に、企業ニーズに最適なパッケージデザインを提供します。私たちが手掛けるパッケージは、単に美しいだけでなく、商品が市場で際立つデザインであることを重視しています。消費者の心を捉える色の選定から、印象に残る配色まで、包括的なデザインサービスを提供しています。
◎自社の商品パッケージに色をどのように活用できるか
私たちは、貴社の商品カテゴリーやブランドイメージに最適な色の組み合わせを提案します。例えば、食品パッケージ印刷であれば、消費者の食欲を刺激する暖色系を中心に、季節やトレンドに合わせた配色を作成します。さらに、競合他社との差別化を図るための配色を開発し、商品が店頭で一目で認識されるように支援します。
◎配色理論を活かしたデザインとアドバイス
商品パッケージデザインに配色理論を取り入れることで、市場での競争力を高めることができます。
パッケージデザインに色相環や配色理論を活用して、消費者の心を捉える強力なツールになるよう、専門的なアドバイスをさせていただきます。例えば、商品が持つ特性やターゲット層に応じて、補色配色で強いインパクトを与えるのか、類似色配色で安心感を与えるのかなどのアドバイスをさせていただきます。
◎サービス事例のご紹介
これまで、私たちは広島西条の酒造メーカー様や老舗お菓子メーカー様をはじめ、多くの企業様のパッケージデザインおよびパッケージ印刷を手掛けてきました。
例えば、今田酒造様の「ヴィンテージの新たなる命 富久長LEGACY 0(レガシーゼロ)」化粧箱のデザインでは、伝統的なブランドイメージを保ちながらも、新しい顧客層にアピールできるモダンなデザインを実現しました。具体的には、淡いクリーム色のベースに金インキのグラデーションを重ねて絵柄を表現し、高級感のあるマットな仕上げを施した後、金箔の箔押しを加えています。
このように、伝統的な金色と現代的な白を組み合わせることで、上品さを保ちながらも現代的な印象を与えることができるパッケージ印刷の手法は、さまざまな商品パッケージにも活用いただけます。
◎無料カウンセリング受付中
新商品の商品パッケージ製作を検討している企業様、
既存の商品パッケージをより強力なものに一新したい、とお考えの企業様は、
ぜひ下のお問い合わせから大洋印刷株式会社の無料カウンセリングにお申し込みくださいね。
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