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第11回 クラフト系の紙箱が作りたい時の塗工の話
こんにちは 福富です。
今回は「 用紙についてのお話 」です。
皆さんは用紙の種類って何種類くらいあると思いますか?
用紙の種類分けって結構奥深くて、詳しくお話すると語りきれないくらい種類があります。
そこで、今回はすっごく大きく分けると2種類のグループにまず分けられるというお話です。
この2種類だけ、とりあえずおさえておけば「あれ?思っていた印刷の仕上がりと違うぞ!?」
というトラブルを事前に防止できます。
第11回 クラフト系の紙箱が作りたい時の 「紙表面の塗工」の話
用紙は「 塗工紙 」か「 そうじゃないか 」の2種類に分けらることだけ覚えておくと便利です。
【 塗工 】とは、簡単にいうと紙の表面に塗料を塗布すること。
塗料が塗られることで印刷インキが紙へ浸透しにくくなってインキの発色がよくなります。
逆に、塗料が塗られていない非塗工紙などはインキが紙へ浸透していきますので色が沈んで見えます。
インキが紙に吸い込まれてにじんでしまう感じです。
インキがにじんでしまうと細かい網点などは、その分潰れてしまいますので
思っていたよりもくすんだ感じや暗い感じの印刷あがりになります。
ただ、このくすみが悪いという訳では無くて狙ってくすませたい時には
逆にこのダルっとした感じがいい風合いになるんですね
和紙系の用紙などは塗工紙のアート紙とかと比べると、かなり色が沈みますが
それが和紙っぽい高級感のある良さだとされています。
重要なのは、皆さんが「 事前に想像している仕上がり 」になるかどうかだと思います。
塗工された紙の代名詞は「 コート紙 」と「 アート紙 」がありまして紙の名前に
「コート」とか「アート」とか付いている場合が多いです。『 キャストコート 』とか『 アートポスト 』など…
それ以外の名前の用紙は塗工されていないかも? 印刷したら思ってたより沈むかも? と注意してください。
今、人気の「 クラフト紙 」も塗工紙ではありません。
一重にクラフト紙といっても膨大な種類がありますが…写真はほんの一部です。
クラフト紙は紙の色も白色ではなく茶色ですので
・色が沈む
・地色の茶色の影響を受ける
…の2つの要素を考慮する必要があります。
一般的にクラフト紙は、カラー印刷で刷るよりは「 黒1色刷り 」や「 地色の影響を予測 」できそうな
特色1色などで印刷して用紙そのものの風合いを活かすというディレクションがクラフト紙の有効な使い方かもしれませんね。
もちろん、箔押しなどの用紙に吸い込まれない加工は地色や塗工とかは関係ありませんのでガンガン使ってください。
今回は、塗工紙とそうじゃない紙の印刷適性のお話でした。
『 用紙を工夫して個性的な印刷物に仕上げたいな 』と思った時には、ぜひこのお話を思い出してくださいね。
あなたが求める印刷結果を引き出せる用紙を使って、素晴らしい印刷物ができることを願っています。
弊社では、この用紙にこのデザインだと、こういう『 印刷結果になりそうだ 』と
長年の経験とカンで事前に、だいたいイメージしています。
そのイメージがデザイナーの方がイメージしているものと「近い」のか「遠い」のか
確かめる方法としては「 平台校正以上の色校正 」をオススメしています。
ご要望の方はお声がけいただければと思います。
相談だけでも、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
ではまたお会いしましょう。
次回もお楽しみに!