COLUMN印刷ラボ
コラム
【注目度アップ!】偽造防止とデザイン性で印刷物の可能性を広げるホログラム加工
2024年7月3日に発行された、3Dホログラム技術を採用した世界初の新紙幣。皆さんは、もうすでに新紙幣をご覧になったでしょうか?
新紙幣に施された、肖像が回転するストライプ型の3Dホログラムは、高い偽造防止効果とデザイン性を実現していることでも話題になりました。現在、こうしたホログラム加工は、新紙幣以外にも様々な分野で活用されています。
そこで今回は、印刷物や商品に付加価値を与えるホログラム加工についてのお話です。
目次
この記事は以下のような方を対象としています
- ・ブランド価値を高める商品パッケージをお探しの方
- ・他企業とは一線を画すパッケージングをお探しの方
ホログラム加工の活用事例
様々な分野で活用されているホログラム加工の具体的な活用事例をご紹介します。
◎偽造防止
クレジットカード、免許証、商品券、商品パッケージなどにホログラム加工を施すことで、偽造防止効果を高めることができます。
◎セキュリティ
パスポート、ビザ、入場券などにホログラム加工を施すことで、不正な利用を防ぐことができます。
◎装飾
ファッションアイテム、インテリア雑貨、コスメパッケージなどにホログラム加工を施すことで、高級感や華やかさを演出することができます。
◎広告宣伝
パンフレット、ポスター、チラシ、トレーディングカードなどにホログラム加工を施すことで、視覚的な訴求効果を高めることができます。
ホログラム加工の種類
ホログラムを印刷物に定着させる方法は、大きく4種類に大別されます。
1. ホログラムラミネート(ホロラミ加工)
被着体にホログラムエンボス加工を施したラミネートフィルムを貼り合わせる方法です。被着体のデザインを活かしながら、ホログラム効果を付与することができます。
(◎)メリット
・被着体のデザインを活かしたホログラム表現が可能
(△)デメリット
・ホログラムPP加工(ポリプロピレン加工)を隙間なく、ズレなく並べるには貼り合わせの精度が必要
・ラミネート加工は、貼り付けるフィルム代がかかるため、コストが高くなる
2. トランスタバック(UVラミコート、LCコート)
印刷物の表面にホログラムを転写する加工方法です。紫外線で樹脂を硬化させてホログラムを定着させます。
(◎)メリット
・溶剤を使用しないため、環境負荷を抑えることができます。
・トランスタバックは転写のみなので、ラミネート加工と比べてコストを抑えることができる
・転写用フィルムは繰り返し使用できるため、効率性と生産性を高めることができる
(△)デメリット
・フィルムではないため、強度面ではラミネート加工より劣る
3. ホログラム箔押し
箔押しという印刷方法で、ホログラム箔を加工することもできます。
(◎)メリット
・本物の金属のような輝きと存在感があり、背景から浮き出るような表現ができる
(△)デメリット
・加工が複雑なため、コストが高くなる
(オススメ)ホログラム箔押しは、大洋印刷株式会社での社内加工が可能なため、小ロット、低コストで対応可能な場合があります。ぜひお問い合わせください。
4. 市販品「ホログラムペーパー」
100円ショップでも購入できるホログラムペーパーでも、手軽にホログラム加工を楽しむことができます。
(◎)メリット
・店頭POPやアイドルのうちわ、スマホデコレーションなど、手軽なホログラム加工を楽しめる。
(△)デメリット
・デザインや質感に制限がある。
商品パッケージにホログラム加工を活かすには
1. デザインコンセプトを明確に
ホログラム加工を施す前に、印刷物のデザインコンセプトを明確にすることが重要です。どのような雰囲気にしたいのか、どのようなターゲットに訴求したいのかなどを明確にしておくことで、適切なホログラムの種類やデザインを選ぶことができます。反対に、不適切なホログラム加工を選んでしまうと、かえって安っぽく見えてしまい逆効果にもなりえるため、注意が必要です。
2. ホログラムの種類とデザイン選びは慎重に
ホログラムには様々な種類があり、それぞれ異なる光沢感や立体感、模様を持っています。
印刷物のデザインや目的に合ったホログラムを選ぶことが重要です。例えば、高級感を出すためには、以下のようなホログラムがおすすめです。
- ・ホログラム箔: 金や銀のような光沢を持つホログラムです。高級感や重厚感を演出するのに効果的です。
- ・マイクロレンズホログラム: 微小なレンズが並んだホログラムです。見る角度によって模様が変化したり、立体的な像が現れたりするなど、奥行きのある表現が可能です。
3. ホログラムの配置に工夫を
ホログラムを印刷物に配置する場所によって、印象が大きく変わります。以下のような点に注意して配置しましょう。
- ・目立たせたい部分に配置する: ロゴやタイトルなど、目立たせたい部分にホログラムを配置することで、高級感を強調することができます。
- ・余白を有効活用する: 印刷物の余白にホログラムを配置することで、さりげなく高級感を演出することができます。
- ・パターンで配置する: ホログラムを規則的なパターンで配置することで、洗練された印象を与えることができます。
4. 印刷方法に工夫を
ホログラムを印刷するには、様々な印刷方法があります。印刷方法によって、ホログラムの質感や光沢感が変わるので、印刷物に合った方法を選ぶことが重要です。以下のような印刷方法があります。
- ・箔押し: ホログラム箔を熱と圧力で印刷物に押し当てる方法です。
- ・スクリーン印刷: インクを押し出すようにして印刷する方法です。スクリーン印刷インキやPVCシートなどの樹脂にホログラムパウダーを練りこんで使うことができます。
- ・デジタル印刷: データを直接印刷機に送り、印刷する方法です。様々な種類のホログラムに対応できます。
5. その他の加工を組み合わせる
ホログラム以外にも、エンボス加工や箔押し加工、ニス加工などを組み合わせることで、より一層高級感を演出することができます。
6. デザイン全体のバランスを考える
ホログラムはあくまでも印刷物全体の一部であり、全体のデザインとのバランスを考慮してみましょう。
7. 専門業者への相談を
ホログラム加工は、専門的な知識と技術が必要となるため、経験豊富な専門業者に相談することをおすすめします。業者によって得意な加工方法やホログラムの種類が異なるため、複数の業者を比較検討し、最適な業者を選ぶのもよいでしょう。
商品パッケージへのホログラム加工例
現在、ホログラム加工は様々な商品パッケージに採用されています。
◎ウイスキーのボトル
サントリーは、ウイスキーのボトルにホログラムラベルを貼付し、偽造品対策を強化すると同時に、高級感を演出しています。https://www.suntory.co.jp/news/article/14552.html
◎お土産品や贈答品
大洋印刷株式会社が商品パッケージ製作に協力させて頂いた、広島のお土産品「わにサブレ」のパッケージにも、ホログラム加工が活用されています。
◎企業:パンフレットやカタログ
企業紹介パンフレットやカタログにホログラム加工を施し、製品やサービスの魅力をより効果的に伝えたり、企業のブランドイメージを向上させることができます。
まとめ
ホログラム加工は、印刷物の品質向上、偽造防止、デザイン性向上など様々な効果が期待できる優れた技術です。
これまでの商品パッケージにホログラム加工を取り入れ、商品をもっと魅力的に、お客様がつい手に取りたくなる特別な印象を与えてみませんか?