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コラム

【酒類用の紙パックで環境保全】リサイクルで持続可能な紙のパッケージングを

近年、環境保護の観点から、パッケージ印刷業界は脱プラスチックの動きを加速しています。日本国内での紙パックの需要は年々増加しており、パッケージとして使用される国内の紙の需要が高まっています。

紙パックは生活用品としても、牛乳やジュース、酒類などの飲料容器、調味料や油などであらゆる場面で目にする機会も増えてきました。そのため、環境に優しい包装材としての地位を確立してきています。

そこで、今回は紙パックを中心とした容器パッケージの最近の動向についてご紹介します。

目次

この記事は以下のような方を対象としています

  • 商品の容器としての新しい素材を検討されている方
  • ブランド価値を高める商品パッケージをお探しの方
  • 時代に合ったパッケージングをお探しの方
紙パック

商品容器ごとのメリットとデメリット

容器を選ぶ際には、商品や容器の特性、そして環境への配慮などを考慮することが大切です。

製品によって個々の特性が異なるため、適切な容器は製品によって異なりますが、ここでは一般的な容器がもつ特性についてご紹介します。

容器メリットデメリット
紙パック軽量、持ち運びやすい、リサイクル性が高い、紙製なので環境負荷が比較的低い耐熱性・耐圧性に劣る、酸性の強い液体には不向き、水分に触れると破れやすい
ペットボトル耐熱性・耐圧性に優れている、酸性の強い液体にも対応できる、軽量で持ち運びやすいリサイクル性が低い、石油由来のプラスチック製なので環境負荷が高い
軽量、持ち運びやすい、リサイクル性が高い、光を通さないため中身が劣化しにくい酸性の強い液体には不向き、錆びやすい
高級感がある、遮光性が高いため中身が劣化しにくい、繰り返し使用できる重くて持ち運びにくい、破損しやすい、リサイクル性が低い

瓶は繰り返し使用できるため、環境負荷が低い容器とも言えますが、回収や洗浄にかかるコスト面からリサイクルには多くの課題が残っています。

脱プラスチックと紙パックの役割

世界的な脱プラスチックの潮流の中、紙パックはその環境負荷の低さから注目を集めています。再生可能な資源から製造され、リサイクルが容易なため、パッケージに紙素材を利用することはサステナブルな社会づくりに大きく貢献しています。

紙パックは、その強度と質感が酒類を含む多様な商品の包装に適しています。特に、酒類用の紙パッケージは、消費者に商品イメージを伝えるなど、デザインによる外観でブランド価値を高めることができます。

紙パックリサイクルのメリット

紙パックリサイクルは、課題はあるものの、環境問題への貢献など様々なメリットがあります。以下、代表的なメリットを詳しく説明します。

◎森林資源の保護

紙パックの原料となる木材は、主に人工林で栽培されます。紙パックリサイクルは、古紙を原料として再利用することで、新たに木材を伐採する必要性を減らし、森林資源の保護に貢献します。

◎地球温暖化対策

木材を伐採して紙パックを製造するプロセスでは、大量のエネルギーが消費され、伐採された森林のCO2吸収機能が失われます。紙パックリサイクルは、古紙を原料として再利用することで、エネルギー消費量とCO2排出量を削減します。

◎節水・省エネ

紙パックの製造には大量の水とエネルギーが必要ですが、古紙を原料とするリサイクル紙は、バージンパルプの製造に比べて水とエネルギーを節約できます。

◎廃棄物削減・処理コスト削減

リサイクルされない紙パックは焼却処分や埋め立てが必要となり、環境に負荷を与えます。紙パックリサイクルは、廃棄物の量を削減し、処理コストも軽減します。

◎経済効果

紙パックリサイクルは、古紙を新たな資源として活用することで、新たな雇用創出や地域経済の活性化にも寄与するなど経済的な利益をもたらします。

酒類用の紙パックリサイクルの課題

酒類用の紙パックは、環境負荷の低い素材として注目されていますが、リサイクルにはいくつかの課題が存在します。

◎リサイクル技術の難しさ

酒類用の紙パックは、5層構造でできており、内側から外側に向かって、紙、プラスチック、アルミ、紙、プラスチックの層が順に重なっています。このうち、プラスチックやアルミ製のバリア層は、紙と分離するのが難しく、リサイクルを困難にしています。近年、バリア層の判別や剥離技術の開発が進められていますが、まだ十分な技術が確立されておらず、コストも高くなります。

◎回収拠点の不足や回収システムの整備

酒類用の紙パックは、酒造メーカーや飲食店、家庭などから排出されますが、回収率は十分ではありません。回収ボックスの設置や回収業者の協力を得て回収率の向上を目指していますが、地域によって回収体制が整っていない場合もあります。

◎消費者の理解不足

酒類用の紙パックは、正しく分別しないとリサイクルできないことを知らない消費者が多くいます。正しい分別方法やリサイクルの重要性を周知する啓蒙活動が必要ですが、十分に行われていないのが現状です。

◎経済的な課題

酒類用の紙パックのリサイクルには、コストがかかります。バリア層の分離技術の開発や回収システムの整備には、多額の投資が必要となります。また、リサイクルされた紙は、バージンパルプよりも安価に販売されるため、収益性が低いという課題もあります。

酒類用の紙パックリサイクルの今後の展望

酒類用の紙パックのリサイクル率向上に向け、様々な取り組みが進められています。

技術開発

バリア層の判別や剥離技術の開発が進められています。

回収システムの整備

酒類用の紙パック専用の回収ボックスを設置したり、回収業者の協力を得たりすることで、回収率の向上を目指しています。

酒パック循環型リサイクルシステム

酒パックリサイクル促進協議会が推進している「酒パック循環型リサイクルシステム」とは、製造工程で発生する酒パックの損紙を、清酒メーカーが集積している利点を活かして効率よく共同回収し製紙原料としてリサイクルするものです。このような循環型リサイクルシステムは、資源の有効活用を促進し、持続可能な消費と生産の実現に寄与しています。

消費者への啓蒙活動

正しい分別方法やリサイクルの重要性を消費者に周知する活動が行われています。

「紙パックマーク」と消費者への情報提供

紙パック製品には「紙パックマーク」が付されており、これによって製品がリサイクル可能であることが示されています。このマークは消費者のリサイクルへの意識を高め、正しい分別を促進する役割を担っています。

紙パックマーク

近年では、酒類メーカーや紙パックメーカー、リサイクル業者などが連携して、酒類用紙パックのリサイクル率向上に取り組んでいます。

まとめ

環境に配慮した紙製パッケージをご検討されている企業様へ。
ここまでご説明しました「紙パック」は残念ながら当社では生産できませんが、紙製の箱や台紙、ラベル、包装紙などの様々な紙パッケージが大洋印刷の社内工場で一貫生産できます。
経験豊富なスタッフが、お客様のニーズに合った最適なパッケージングをご提案いたします。
デザインから印刷までワンストップで対応!紙製パッケージは、大洋印刷株式会社にご相談ください。

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