COLUMN印刷ラボ
特色印刷
カラー印刷と特色印刷の違い
― パッケージの色づくりで失敗しないための基礎知識 ―
執筆 福富康一(福ちゃん) 2025/11/25
紙パッケージの制作において、「色」は商品イメージを大きく左右する重要な要素です。
特に、カラー印刷(CMYK) と 特色印刷(スポットカラー) の違いは、仕上がりに直結します。
本記事では、パッケージ制作ご担当者やデザイナーの方向けに、両者の違いと注意点を整理しました。
■ カラー印刷(CMYK)とは
カラー印刷は シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色 を掛け合わせて多くの色を再現する方法です。
写真やグラデーションを含むデザインに向いており、現在の印刷の主流となっています。
● 向いている用途
- 写真を使ったパッケージ
- 色数の多いデザイン
- 量産に適した一般的な紙箱・台紙
● メリット
- 多色表現が可能
- コストが安定
■ 特色印刷(スポットカラー)とは
特色印刷は、印刷会社やインキメーカーが調合した 特定の色インクをそのまま使う印刷方式 です。
CMYKでは表現しづらい色を再現でき、ブランドカラーの厳密な管理に適しています。
● 特色でしか出せない色の例
- 鮮やかなオレンジや黄緑、紫など
- 深みのある紺
- パステルカラー、ペールトーン
- 金・銀(メタリック)
- 白
● メリット
- 色ブレが少ない
- 鮮やか・濁りがない
- ブランドカラーの安定した再現が可能
- 特色ダブル印刷により広範囲のベタ印刷が安定
■ ただし、特色印刷には注意点もあります
特色印刷はメリットが多い一方で、実務上のコストが上がる可能性があります。
● インク交換の手間とコスト
特色インクを使用する際、印刷機を洗浄する必要があります。
これには下記のような追加作業が発生します。
- 洗浄廃液の処理
- インク交換の作業時間
- 調整刷り(色合わせの試し刷り)
これらは ロットが多いほどメリットが出やすく、小ロットでは割高になるケースもある ため、事前相談が重要です。
■ カラーと特色、どう使い分ける?
色選びは「見た目」だけでなく コスト・ロット・ブランド要件 のバランスで考えるのが理想的です。
● カラー印刷が向く場合
- 写真を使う
- 納期を優先したい
- コストを優先したい
● 特色印刷が向く場合
- ブランドカラーを正確に再現したい
- 高級感・特別感を出したい
- 金・銀・パステル・鮮やかな色など特別な色を使いたい
■ 大洋印刷でよくあるご相談
当社では、紙パッケージ専門の立場から、次のようなご相談をよくいただきます。
- 「ブランドカラーを正確に出したい」
- 「特色とカラーを併用できますか?」
- 「小ロットでも特色を使いたいけど、コストはどれくらい変わる?」
仕様やロットによって最適な方法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。
■ まとめ
カラー(CMYK)と特色(スポットカラー)には、それぞれ役割と得意分野があります。
- 写真や多色表現 → カラー印刷
- 鮮やかな単色・ブランドカラー → 特色印刷
パッケージの目的に合わせて選ぶことで、仕上がりや印象が大きく向上します。
印刷ラボでは、目的やコストに合わせた最適な印刷方法をご提案しています。
「この色をどう再現したらいい?」という疑問があれば、いつでもお気軽にお声がけください。





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