COLUMN印刷ラボ
オリジナル設計
「オリジナル形状パッケージを実現する5つのステップ」―失敗しない箱づくりの流れ

執筆:福富康一(福ちゃん)/2025-09-29
あなたのアイデアを箱にする──オリジナル形状パッケージのつくり方
こんにちは。大洋印刷の福富康一(福ちゃん)です。今日は、ありきたりの箱じゃなく、「この形で箱をつくりたい!」というオリジナル形状の紙パッケージを実際に形にしていく流れをお伝えします。20年以上印刷業界にいて、これまでに1万件以上の印刷案件を見てきた私だから言える、失敗しない進め方。ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

1. まずは「イメージ」を伝えることから始まる
箱づくりは「こうしたい」という漠然としたイメージから始まります。どれだけ完成図が緻密でも、まずは「こんな感じで」「こういう形で」といった思いを共有していただくことが肝心です。手描きのスケッチ、立体模型、雑誌の切り抜き、写真――どんな方法でも構いません。重要なのは設計担当者に「これを目指してほしい」という意志が伝わること。図面がなくても大丈夫!まずは形のニュアンスや遊び心を伝えるだけで、設計のきっかけになります。

2. 中身(収納物)をきちんと伝える
箱は“入れるもの”あっての箱です。どんなモノを入れるのか、寸法はどうか、形や重量はどれくらいか。この情報がなければ、設計では正しい寸法をつくれません。特にオリジナル形状では、少しのズレが強度や箱のフィット感にひびくことがあります。
ですから、これらの情報を設計者が正しく把握するために、中身の実物を持参いただくとスムーズです。
もし寸法不明で設計だけ先行すると、あとで「高さが足りない」「中身が浮く」「箱がガタつく」などの不具合につながりやすく、手戻りコストが増えてしまいます。
3. 紙を選ぶ/素材を決める
形と中身の情報が出揃ったら、次は紙選びです。
一般的な板紙から高級感を意識した特殊紙、ファンシーペーパー、色紙などなど……紙の種類は実に多様です。形状を活かすためには、紙の厚み・強度・曲げ性・見た目などすべてを考慮しないと失敗します。
この段階で弊社では、見本帳を見ながら実物で質感を確認できるようご案内しています。実際に手で触れて、「この紙だとしなやかさが足りない」「こっちの方が立体感が出るかも」という気づきが生まれることも多いです。紙選びはデザインと同じくらい、箱の印象を左右します。
大洋印刷の新しいミーティングルームでは、様々な紙の見本帳を取り揃えています。ぜひお近くの方はご来社くださいね。実際に触って、どの紙があなたのイメージにピッタリか確認してください。

4. サンプルカットで“形”をつくる
イメージ・中身・紙が揃ったら、設計者が実際にサンプルカットを行います。設計図をもとにホワイトダミー(紙だけでつくった仮箱)を切り出し、あなたのイメージが立体で確認できる状態にします。
この段階では、紙の厚さによる面の納まりや強度、折り線の出方、見た目のシルエットなど、感覚的な部分が目に見えるようになります。「思っていたより浅い」「側面が開き気味」「この部分を強めにしたい」など、リアルな感覚を得られる絶好のタイミングです。

5. 修正を重ねて完成へ
一度で理想の形に仕上がることは稀です。「ここがもう少し浅くなってほしい」「この補強を追加したい」「底の強度を上げたい」など、意見を反映しながら改良を重ねていきます。
大洋印刷では、初回のサンプルカットは基本的に無料で対応しています。ぜひお気軽にご相談くださいね。
ただし、形状や紙種によっては最初から有料になる場合もあるため、その際は事前にお見積りをお出ししています。また、2回目のサンプルカットからは有料になります。
修正は、お客様のイメージと設計上の制約をすりあわせながら進める“対話”の時間です。お互いの認識を合わせながら詰めていくことで、想像以上の仕上がりを目指します。

まとめ:あなたの箱にするためのステップ
オリジナル形状パッケージの流れを整理すると、次のようになります。
- イメージを伝える
- 中身(収納物)を知らせる
- 紙を選ぶ
- サンプルカットで立体確認
- 修正を重ねて仕上げる
このプロセスを丁寧に進めれば、あなたの頭の中にある“箱のカタチ”を現実のものに近づけることができます。
私達は紙パッケージ印刷の専門家として、あなたのアイデアを形にするお手伝いをしたいと願っています。
もし「この形を箱にしたい」「既存の箱をもう少し変えたい」と思われたら、ぜひお気軽にご相談ください。図面作成、見積もり、オンライン打ち合わせ、何でも対応いたします。あなたの想像を超える箱を、一緒につくりましょう。

気になったあなたは、こちらのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ!