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その色、本当に伝わってる?ブランドイメージを守る特色印刷のススメ

パッケージにおいて「色」は、視覚的な第一印象を決める最も重要な要素のひとつです。
しかし、印刷されたパッケージを見て、「あれ?思っていた色と違う…」と感じたことはありませんか?
その違和感は、もしかすると「プロセスカラー(CMYK)」の限界かもしれません。この記事では、今こそ注目すべき「特色印刷(スポットカラー)」のメリットと最新事情を、わかりやすくご紹介します。
そもそも特色印刷とは

「特色印刷(スポットカラー)」とは、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の掛け合わせではなく、あらかじめ調合された特定のインクを使って印刷する手法です。色ブレを抑え、ブランドカラーを正確に再現できるのが最大のメリットです。
最新の特色印刷事情

一貫した色再現性は今でも強み
スポットカラーは、複数の印刷機やロットにまたがっても色ブレが起きにくく、信頼性の高い仕上がりが求められるブランド商品に最適です。これは2025年現在でも変わらぬ魅力であり、多くの企業が採用しています。
限定色や特殊色にも対応可能
蛍光色やメタリック色、ホログラム箔など、CMYKでは再現が難しい色にも対応できます。特にギフトや高級ラインの商品では、ブランドの世界観を表現するうえで効果的です。
ロット数によるコストの違い
小ロット(例:2,000枚以下)ではCMYKの方がコストメリットがありますが、特色1色のみを使用する場合は、少量でも特色印刷が有利になることもあります。ただし、特色2色以上の使用はコストが上がる傾向があります。
デジタル印刷でも近似色が再現可能に
オンデマンド印刷では、PANTONEカラーに近い色をCMYKで近似再現する技術も進化しています。ただし、完全一致は難しいため、正確な色再現が必要な場合は、特色印刷が依然として最善の選択です。
G7・ICCなどの色管理プロセスの進化
CMYK印刷においても、G7方式によるグレーバランス調整やICCプロファイルを用いたカラーマネジメント、さらには印刷機のオートカラーコントロール(自動インキ濃度制御)技術が普及し、色ずれ(色差)を抑えられるような技術が培われてきました。その結果、従来に比べてCMYK印刷でも色再現性がより確保できるようになってきています。
どんなときに特色印刷を使うべき?
使用状況 | 推奨印刷方式 | 理由 |
---|---|---|
ブランドカラーの再現が最重要 | 特色印刷 | 色ブレのない安定品質を実現 |
写真やグラデーションを多用する | CMYK印刷 | 表現の幅が広くコストも安定 |
特殊効果を出したい(金銀・蛍光等) | 特色+特殊加工 | 目を引くパッケージに効果的 |
少量多品種・短納期が求められる | デジタル印刷 | 柔軟かつ迅速な対応が可能 |
ブランド価値を守るために

色の印象は、消費者の「信頼感」や「期待感」に直結します。だからこそ、「その色、本当に伝わってる?」という問いは、ブランド担当者にとって無視できない重要なテーマです。
特色印刷は、単なる印刷技術ではありません。ブランドの“顔”ともいえる色を、正しく、ブレずに伝えるための「戦略」でもあります。
まとめ:特色印刷のススメ
- 特色印刷は現在もなお、色再現性において最も信頼できる手法。
- CMYKやデジタル印刷と比較し、用途や目的に応じて使い分けることが重要。
- ブランドカラーの重要性が高まる今、特色印刷を正しく理解し、戦略的に活用しましょう。
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