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梅雨入り前に見直したい!湿気に強い紙器パッケージ設計とは

梅雨の季節になると、湿気によって紙器パッケージの品質が大きく左右されるようになります。特に食品や日用品、化粧品などを紙製のパッケージで展開している企業にとっては、湿気対策が欠かせません。湿気でパッケージが変形したり、強度が落ちたり、印刷がにじんだりすることで、商品イメージを損ねてしまう可能性があります。

本記事では、梅雨時期に備えて紙器パッケージを湿気に強くするための設計ポイントと、実際に採用されている具体例をご紹介します。

なぜ紙器パッケージに湿気対策が必要なのか?

紙器は見た目や環境配慮の面で人気がありますが、湿気に弱いという弱点があります。梅雨時期には特に以下のような問題が発生しやすくなります。

湿気による主なトラブル:

  • 変形やへこみ:高湿度により紙が柔らかくなり、形が崩れやすくなります。
  • 強度の低下:積み重ねた際に潰れやすくなり、流通時の破損リスクが上昇します。
  • カビや臭いの発生:湿気が溜まりやすいパッケージは衛生面でも不安が残ります。
  • 印刷のにじみ・剥がれ:ブランドロゴや説明文が読みづらくなることで、商品価値を損なう可能性があります。

湿気に強い紙器パッケージ設計の3つのポイント

1. 耐湿素材の選定

紙器パッケージも、コーティングや加工の工夫で湿気への耐性を高めることが可能です。

実例:ラミネート加工紙

外側に耐水性のあるフィルムやニスをラミネートすることで、紙本来の風合いを保ちながらも防湿性能を付与できます。

実例:LIMEX紙器(株式会社田村商店)

石灰石を主原料としたLIMEXは、水に強く耐久性がある新素材。ある化粧品メーカーではスキンケア商品の外箱にLIMEXを採用し、梅雨時期でも型崩れせず、美しい状態をキープできたと報告されています。

出典:株式会社田村商店「LIMEXとは?」

2. 構造設計で密閉性を強化

湿気はパッケージの隙間や折り目から侵入してきます。構造設計の工夫でこれを防ぐことができます。

  • 折り返しの数を増やす:フタや底面の二重構造で内部への湿気の侵入を防止。
  • 糊付け部分の面積を広げる:密着度を高めて、空気の出入りを最小限に。
  • 封緘シールやOPP袋との併用:紙器単体では不十分な場合、透明フィルムや乾燥剤を組み合わせるのも有効です。

3. 流通・保管を想定した設計

梅雨時は輸送中や保管時に高湿度環境となることが多いため、製品が消費者に届くまでを想定したパッケージ設計が求められます。

  • 表面撥水ニスの活用:未加工のものと比べて、雨水や湿気が表面で弾かれやすくなり、カビや汚れを防げる可能性が高まります。
  • 通気性を確保しつつ吸湿性を抑える設計:箱内に空気がこもらず、内部の結露を防止できます。
  • パッケージに防湿アイコンや説明を記載:小売店や消費者への注意喚起と差別化につながります。

紙器パッケージにおける実例紹

1. 環境配慮型紙容器「ハロパック®」:株式会社田村商店

「ハロパック®」は紙と高機能バリアフィルムの組み合わせで、強度・防湿性・環境性をすべて兼ね備えています。ヨーロッパでは5億個以上の採用実績があり、実際に雨天時の輸送でも変形や品質劣化が少ないことが評価されています。

出典、画像引用元:株式会社田村商店「ハロパック®(HaloPack®)販売中」

2. ギフト向け高級紙箱でのラミネート採用事例

※画像はイメージです。

ある和菓子メーカーでは、梅雨時期の箱の型崩れ対策として、箱表面にマットPPフィルム加工を施した紙箱を採用。結果、外観が保たれ、高温多湿環境でも和菓子がしっかりと守られ、贈答用需要にも応えることができました。

まとめ

紙器パッケージは、エコで美しく、ブランドの顔にもなる重要な要素ですが、梅雨時期は湿気による劣化のリスクが高まります。以下のような対策が必須です。

  • 耐湿加工や高機能素材の活用(例:ラミネート加工、LIMEX)
  • 密閉性の高い構造設計
  • 輸送・保管までを見据えた設計配慮

湿気に強い紙器パッケージは、見た目と機能性の両立により、ブランド価値向上にもつながります。梅雨入り前の今こそ、設計の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

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