COLUMN印刷ラボ
印刷ラボ
【第35回】紙箱の形状が知りたい① ワンタッチ型
商品の必要な情報を伝え 魅力を高めて安全にお客様のもとへ運んでくれる 紙で作られた箱。
商品にピッタリで中身がガタガタせずにしっかりと守ってくれる。
そんな紙箱は、あなたの商品の一部と言えますよね。
紙箱は木型と呼ばれる刃型を使い、トムソンという機械で打ち抜いて作られます。
この作り方の箱を『トムソン箱』と言います。
加工がしやすいため、様々なカタチに打ち抜くことができる『トムソン箱』
デザイナーの皆様の創意工夫で様々なカタチのトムソン箱が日々作られています。
どんなカタチでも作れる…とはいえ、イチから完全にオリジナルの形状を考えるのは大変です。
そこでトムソン箱にはよく使われるテンプレートな形状があります。
その中から商品に最適なカタチを選べると印刷会社とのコミュニケーションが
スムーズにできて商品にぴったりな紙箱を作ることができます。
箱の形状がどんなにかっこよくても、商品が箱詰めしにくいとセットアップに時間がかかり
作業する方々の負担が増えます。流通に耐えられる強度がないとお客様の手元に届くまでに
中身が壊れてしまいます。
商品の紙箱としてピッタリな形状は何でしょうか?
そこで、今回から数回に分けてトムソン箱でよく使われるカタチを一つずつご紹介していこうと思います。
それぞれの特徴や用途を知ることで、メリットとデメリットが理解できるようになりますので
参考にしてくださいね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ワンタッチ型:組み立てがとても楽な万能型
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
初回は、私が手がけた紙箱の中でも一番選ばれている人気の形状『ワンタッチ型』をご紹介します。
「底ワンタッチ」とか「ボトムロック」とか呼ばれることもある形状です。
ワンタッチ型の紙箱は、この写真のように平たい状態でお手元に届きます。
平たい状態なので かさばらず大変コンパクトに収納できます。
ワンタッチの最大の特徴は、その名前が示すとおり「ワンタッチ」で箱になるという点にあります。
箱を広げると底のパーツが自動的に組み上がって箱になります。
底はこのように組み合わされた状態になります。
中身を入れてフタをしめるだけであっという間に箱詰め作業が終了
セットアップのスピードが早いのでロットの大きい商品に とても便利です。
ワンタッチの図面はこのようになっています。
特徴的なのは『底の部分』この出っ張った2箇所に糊貼りをすることでワンタッチ底が完成
両サイドを押さえるだけの簡単組み立てができて取り扱いが便利なワンタッチ型。
しかし、注意しなければならない点もあって
『ある程度の高さが無いとワンタッチ貼りはできない』ということです。
ワンタッチ貼りは、グルアーと呼ばれる自動貼り機で糊貼りされます。
ベルトコンベアで運ばれながら自動で糊付や折りがなされていくのですが
高さがある程度無いと側面の貼りしろにズレが生じてしまいます。
高さの低いものはワンタッチ型では無理な場合がありますので
その際には、高さの低いものに適した形状である『N式』や『C式』などの形状を検討してみましょう。
今回はここまで。
最後までお読みいただいき ありがとうございます。
パッケージ印刷について知りたいネタがございましたら教えてくださいね!